ダウンサイジングで燃費が良くなる理由

ダウンサイジングエンジンの燃費が良くなる理由の一つは排気量を縮小しているからですが、それを図示してみました。
図で横軸が回転数を固定した時の負荷の大きさの割合、縦軸が燃料消費率です。青い線が排気量2,000cc、赤い線が1,000ccの場合のイメージです。あくまでもイメージであって実測値ではないです。

ガソリンエンジンは負荷が小さいと効率が悪く、高くなるにつれて効率が良くなっていきます。しかし、全開ではかえって効率が悪くなります。また、図で示したように排気量が半分の1,000ccでは2,000ccの半分の50%までで線が切れているように、同じ回転数では約半分までしかトルクがでないことを示しています。そのため、同じ負荷で比較出来るのは50%のところまでです。1,000ccの赤い線は2,000ccの線を元にX軸方向に圧縮して描きました。負荷が小さいと2,000ccよりも1,000ccの方が効率が良くなっています(数字が小さいほど熱効率が良い)。イメージなので1,000ccが全開の時と2,000ccの50%のどちらが良いかはなんとも言えませんが10%から30%のように使う頻度が高いところでは1,000ccの方が効率が良くなっているのがわかると思います。

しかし、実際の自動車では排気量が小さければ同じ回転数ではなく相対的に高い回転数を使います。したがって、小排気量のメリットを生かすには同じ回転数を使えるように過給することで元の排気量と同じトルクを出すことが考えられます。過給すると圧縮比を下げることによって自然吸気状態よりは効率が落ちるかもしれませんが、排気量が大きな自然吸気エンジンよりは効率が良いと思われます。

これが過給によって燃費を良くするダウンサイジングエンジンの概念です。