ホンダS07Aエンジンのボアピッチ
ホンダの軽自動車用エンジンS07Aは従来のE型、P型よりもボアピッチを短縮していますが、具体的に何mmになったかはホンダのサイトにも記述されていません。
しかし、2012年の「人とくるまのテクノロジー展2012」では公表されていたようで「80mmから76mm」と記述しているサイトがありました。
E型とボアピッチが同じL型エンジンはL15Bのボアは73mmで壁間厚さは7mmです。S型で壁間厚さ7mmにするとボアは69mmになります。ストロークをボアの1.2倍の82.8mmにすると排気量は929ccとなります。今後S型で排気量を拡大したエンジンが開発されるのかはわかりませんが、排気量の上限はこのあたりになると予想されます。
ステップワゴンのエンジン
ホンダの新型ステップワゴンが発表されました。エンジンは1,500ccの「VTEC ターボ」です。
しかしながら、発表を聞く限りでは「VTEC」と銘打ちながら、可変バルブ機構は吸排気の連続位相可変型のVTCしか紹介されていません。はたしてVTCのみなのか、それとも従来型のVTECが搭載されているのか。
前者ならばVTECの呼称に対する方針転換がなされたことになります。これまでは軽自動車用エンジンのようにVTCのみを使っている場合にはVTECとは呼んでいませんでした。
スバルの軽自動車用エンジン
スバルの軽自動車用エンジンは1989年に2気筒のEK23型から4気筒のEN05型エンジンに変更されました。ボア56.0mm,ストローク55.6mm,排気量547ccでした。1990年には軽自動車の規格変更によりボアは同じく55.6mmのまま,ストロークを66.8mmに延ばし,排気量を658ccとしたEN07型エンジンが登場しました。どちらもボアピッチは62.5mmでした。最終的にスバルは軽自動車の自社生産をやめるまでこの4気筒を使い続けました。
また,2気筒のEK23型エンジンのボアピッチは同社の小型車用3気筒エンジン(EF10,EF12)と同じ86mmでした。550cc2気筒ののEK23から1気筒増やした形の1,000cc3気筒EF10はジャスティ等に使われました。4気筒のEN05,EN07が登場するも排気量拡大は660ccで終わり,EF10を更新するまでには至りませんでした。
軽自動車用の4気筒エンジン
軽自動車の排気量が660ccになって以降で4気筒エンジンを生産していたのはスズキ,ダイハツ,三菱,スバルの4社です。その中でスバルは4気筒エンジンのみを生産しており,3気筒エンジンと併用していたのは残りの3社です。
スズキは3気筒のF6Aエンジンを元に1気筒増やしたF6Bエンジンを生産していました。F6BはF6Aとボアが同じでストロークをほぼ3/4に短縮したエンジンです。しかし,このエンジンはセルボモードのみに搭載されるに留まりました。
ダイハツのJB型はボアピッチは3気筒よりも短縮された専用の設計になっています。このエンジンはダイハツの軽自動車に広く使われました。また,バリエーションとして713ccのJC-DET型エンジンがありました。
三菱の4A30型エンジンはボアピッチは3気筒の3G83と共通の72mmながら全長は50mmの増加に抑えられています。このエンジンはミニカ,パジェロミニなどに用いられました。また,排気量を拡大した1,091ccの4A31エンジンがありました。
軽自動車用4気筒エンジンはいずれの機種も生産を終了しており,再び登場する可能性は非常に低いと思われます。
三菱の軽自動車用エンジン
1987年に3気筒の3G81がボア62.3mm,ストローク60.0mm,排気量548ccで登場しました。その後,ボア65.0mm,ストローク66.0mm,排気量657ccの3G83が1990年に登場しました。また,4気筒の4A30が1993年に登場しました。ボア60.0mm,ストローク58.3mm,排気量659ccでした。これらのエンジンのボアピッチは共通で72mmでした。
2006年には3気筒の3B20が登場しました。65.4mmのスクエアで排気量は659ccでした。ボアピッチは80mmに延ばされました。このエンジンの排気量を拡大した3B21はボア72.0mm,ストローク81.8mm,排気量999ccで2代目スマートクーペに搭載されました。3B20はRR専用というわけではなく,後にFF車にも搭載され3G83の後継エンジンとなりました。
また,軽自動車用ではありませんが,3気筒でボアピッチが83mmの3A90があります。3A90は排気量999cc,3A92が排気量1,193ccとなっています。